1月の終わり、湖南市の北島酒造さんにお邪魔し、「酛摺り」を体験させていただきました。
「酛摺り」は、伝統的なお酒の製法である「生酛」の工程の1つです。桶の中に入れた蒸米・水・麹を、櫂棒という道具を使って丹念に摺り合せていく工程です。
はじめに蔵人さんに見本を見せていただきました。2人1組になって、交互に櫂棒を動かしながら、突いては引き、突いては引き‥とてもリズミカルな動きです。
早速私も体験。桶の中に櫂棒を入れると、水田の泥のようなしっかりとした重み。突くときは自分の体重を乗せることで力が入りやすいのですが、櫂棒を引き上げるときが思った以上に重たく、苦戦しました。蔵人さんたちが、ごく自然に一定のリズムで動き続けていたことのすごさに、体験してはじめて気づきました。
冬の蔵はとても寒いですが、酛摺りを初めて間もなく汗がにじんできました。しばらく続けていると、お米の粒がすり潰されていき、どろっとした濃いお粥のような状態になり、櫂棒を突く感覚も徐々に軽くなっていきました。体験に参加していたみんなで、お酒のもとらしくなってきた桶の中を覗き込み、「もうすでに美味しそうだね」と言って、笑い合いました。
張り切って参加した酛摺り体験でしたが、翌日には筋肉痛に。ほんのわずかですが、生酛造りの一場面を体感できた貴重な時間でした。北島酒造さんありがとうございました。
きれいに晴れ渡った気持ちのよい5月の日曜日、北島酒造さんの酒米の田植えに参加しました。
今回お邪魔したのは、栗見出在家町の「魚のゆりかご水田」です。「魚のゆりかご水田」は、琵琶湖から魚が遡上できるように、琵琶湖と田んぼをつなぐ魚道を作って、水田を琵琶湖の魚たちの産卵・育成の場をして再生する取り組みです。
栗見出在家町では、地域全体でこのゆりかご水田に取り組まれており、当日はたくさんの子どもたちも田植えに参加していました。
裸足になって田んぼの中に入ると、なんとも言えない気持ちよさ。泥の中は、しっとりひんやり。やわらかな感覚を味わいながら、酒米の苗が琵琶湖の魚たちと、すくすくと育っている様子を想像し、うれしくなりました。